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「愛・地球博」マンスリーレポート5月編

カテゴリー: 主な活動

2005年6月7日
■活動団体/活動参加者
(旧)研究交流委員会
本文:杉山 智章 前書き:酒井基喜
■開催場所
 
 
 
□5月編プロローグ□・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

昨日の午後、EXPOドームでの式典で小泉首相が環境保護と科学技術発展の関係に言及するあいさつを述べられたとの報道を目にした。

「人類の進歩と調和」をテーマに始まった我が国の博覧会の歴史。35年という年月を経て今、いよいよ環境保護という問題が現実味を帯びて我々の生活に重くのしかかって来た。果たして博覧会というイベントは今後この相反するテーマを結ぶ架け橋として機能していくのだろうか・・・

今回はJEDIS関西地域本部より(株)マッシュの杉山氏からのレポートで、グローバルコモンに集う外国パビリオンの様々な顔をご紹介いただいた。

万博が環境という問題と向き合うとき、その解決の糸口とは何か、という難解なテーマに敢えて挑んだ杉山氏のメッセージを読み取っていただきたい。

□執筆者プロフィール□・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~

杉山 智章(すぎやま ともあき 登録番号 960045)

1961年 大阪府生まれ。

1990年 大阪花博「国際展示館 水・光・大地の館」運営プロデュース・統括

1992年 国際園芸博「フロリアード92」日本国政府出展 事務局次長及びジャパン   
    ウィーク催事プロデューサー

1997年 なみはや国体 夏・秋大会/開・閉会式典 演出制作マネジメント

2000年 淡路花博「ジャパンフローラ2000」 運営マネジメント

2001年 ロボット創造国際競技大会関西2001 制作統括

2005年 愛・地球博「EXPO参加催事」制作マネジメントなど

株式会社マッシュ所属。

□本   文□・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


世界の国からこんにちは!!
 
三波春夫でございます~!!「♪こんにちは、こんにちは、西のくにから♪~(中略)~♪1970年のこんにちは♪こんにちは、こんにちは握手をしよう~♪」、三波春夫が歌う『世界の国からこんにちは』は、当時日本の隅々にまで響き渡った。

高度成長の中、64年の東京オリンピックに続き、日本が国際社会から注目された瞬間であった。世界が大阪にやって来たのだ。あのときの「ドキドキ、ワクワク」感は子供心に衝撃を受けた。今も「万博」という言葉を聞けばその記憶が蘇る。あー、驚きだった、新鮮だった、珍しかった。外国人、コンパニオン、ファーストフードなどなど・・・・、世界は凄い!大きな波が三波春夫の歌声とともに日本中を呑み込んだのだ。
 
その結果、大阪万博の入場者はなんと!!6422万人(うち外国人170万人)。70年、国を挙げての“お祭り騒ぎ”。こうして日本での万博の歴史が始まった。


あれから35年・・・・・そして、愛・地球博。

あれから35年、セビリア万博(92年)、ハノーバー万博(2000年)、そして特別博は日本だけでも沖縄国際海洋博(75年)、国際科学技術博(85年)、大阪花博(90年)と開催されてきた。博覧会が我々人類に果す機能と役割は何なのだろうか。人類や文明の進歩を表現するだけが博覧会なのだろうか。博覧会の目的、テーマ以外に博覧会に必要且つ欠かすことのできない要素があると私は考える。

それは「お祭り」という本質的な役割である。過去の反省、現在の検証、未来の夢、全て前向きに考え楽しむ、それが博覧会。そんな中、ハノーバー万博から人類の進歩と同調しにくいテーマである「環境」について果敢に挑んでいるのも事実だ。

愛知万博では史上最大の120カ国の参加が実現した。世界との交流だ。さて、今回は世界からどんな“こんにちは”がやってきたのか。やっぱり今回も「ドキドキ、ワクワク」である。


愛・地球博は「万博」ですから~!!(愛知万博は一般博)

今回のレポートは『世界の国からこんにちは』、グローバル・コモンを中心にレポートをお送りする。ゴールデンウィークまではグローバル・コモン周辺はすいており、民間パビリオン・ゾーンだけが賑わっていたが、外国館にもウェイティングの列ができはじめ、いよいよ万博らしくなってきた。
では、グローバル・コモンを徘徊し感じたところをレポートする。


<アジア&アフリカゾーン> グローバル・コモン1&5

アジアゾーンでは、「アジアのにおい」が心を和ませてくれた。そこに身をおいて居て体がなじむ。不思議に落ち着く空間(ゾーン)である。
 
アフリカゾーンでは、たまたま、その日はタンザニア・デーでお国のえらいさんが館内をご視察。これまた万博ならではの場面である。またステージでは色とりどりの衣装に身をまとった民族ダンスが繰り広げられていた。アフリカの国々が一定のトーン&マナーで展示演出されており、トータル的にバランスのとれたクオリティの高い館であった印象が残る。


<北中南アメリカ・国際機関> グローバル・コモン2

メキシコ館、頑張っている。自然、文化、歴史などのPRがバランスよく洗練され表現されていた。また、入口付近でのソンブレロをかぶって記念撮影ができるサービスもベタだが抜け目がない。特にこのゾーンは、民族的な衣装や展示物などが多く目についた。ふと、ここにきて思う、みんぱく(国立民俗学博物館)とどこが違うのかと思ってしまう。別にここへ来なくても・・・。そこで考えた、「機会」が大切なのか。世界中の国の人たちがひとつのテーマについて、考えたり、展示したり、お金使ったり、商売したり、ものを移動させたり、旅行したりと・・・・・、そのしくみが「万博」で、それが大切なんだと。


<ヨーロッパ・地中海周辺諸国> グローバル・コモン3&4

いよいよ、先進国ゾーンへ。各国のお国自慢の展示などに隠れて必ずあるのが物販だ。経済活動も実は万博の大きな要素なのだ。日本人が思うほど、文化や芸術などをお金に替えることにハードルが高くはないようだ。そこに買い物大好き日本人の人だかり。これが本当の豊かさなのか。
 
フランス・テーストたっぷりのベルギーは、高貴なアートで圧巻された。オランダは、国際花博フロリアードに関わっていたことで親しみがあるせいか、少し物足りない。でもオランダのデザイン・センスはよく見てほしいところだ。このゾーンで一番のお薦めがイギリス館。万博のテーマがよく吟味され、UKらしく、自然と科学の共生がセンスの良いデザインとともに表現されている。今回の博覧会に最もなじんでいる出展のひとつではないか。
 
そんなことを考えながら、モロッコ館では一休み。シナモン・テーストのモロッココーヒーが一時の休息を与えてくれる。異文化とのふれあいの瞬間である。


おわりに~これからの万博

やっぱり万博は楽しい。「環境」という少し難しいテーマは万博には馴染みにくいと思うが、今世界中が万博に限らず考えなければならないテーマであることも事実である。万博は世界中が、一瞬だけでも共通のことを考える機会を与えているという点ではとても大切なことである。何年かに一度は世界中が万博に集い、共通のテーマについて考えたいものだ。
 
また、考えるだけではなくやっぱり感じたい。テーマはさておき「お祭り」というインターフェイスを通じて、世界の人たちと交流する「ハレ」の日をこれからも盛り上がりたいと思う。今回、会場内での子供たちの目の輝きを見た時、35年前の私の「ドキドキ、ワクワク」を再発見した。時代は巡る。今の子供たちにも、この「ドキドキ、ワクワク」を覚えていて伝えていってほしいものだ。彼らにはどんな感覚(メロディ)が焼きついたのか。
 
これからもみんなが楽しめる持続可能な万博を期待する。「ドキドキ、ワクワク」するのが万博ですから!2010年、“日本から上海へこんにちは”。楽しみだ!