リレートーク

「免疫力UPウオーキング」の勧め

カテゴリー: リレートーク

■執筆者 理事 宮地 克昌(二松學舍大学国際経営学科 非常勤講師)

■執筆日時 2020年4月14日

 イベントであふれかえっていた私たちの日常

 2020年2月26日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、スポーツ・文化イベントの開催を今後2週間自粛するように安倍首相が主催者らに要請した。そして、延期や中止、無観客で実施されたスポーツイベント、中止や延期、規模縮小になったコンサートや文化イベント、展示会など、様々なイベントが新聞に取り上げられた。

 これらの記事を読んで、「私たちの日常がいかにイベントであふれかえっているか」ということに改めて驚かされた。また、2009年に発生した豚由来の新型インフルエンザの流行で、講師として参加する予定だった洋上セミナーが中止になり、補償金をいただいたことを思い出した。この新型インフルエンザの影響で、会場に一般聴衆を入れずに合唱コンクールが開催された。

 「一帯一路」の構想に参加している国を始め、世界的に新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、3月17日未明にG7首脳(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)による異例の緊急電話会議が開催された。その後の会見で、安倍首相は7月24日開幕予定の東京オリンピック・パラリンピックの開催について「人類が新型コロナウイルスに打ち勝つ証として、完全な形で実現することで主要7か国の支持を得た」と語った。オリンピック誘致における原発事故の「アンダー・コントロール」のように、私は言葉巧みな説得術に感心してしまった。

 「21世紀は感染症との戦いの時代」?

 20世紀後半、ウイルスの多くが発見され、ウイルスによる感染症を治療する抗ウイルス薬も開発されてきた。1983(昭和58)年に動物由来とされるヒト免疫不全ウイルスHIVが発見され、その後、治療法も開発された。そして、2002(平成14)年のSARSコロナウイルス、2012(平成24)年のMERSコロナウイルス、2019(令和2)年の新型コロナウイルスと、約10年に一度、コロナウイルスによる感染症の驚異に晒されている。麻疹や風疹なども時々話題になる。

 2014年に日本でデング熱(デングウイルス感染症)の感染例がでたことを受け、『MICE Japan』に寄稿したイベントのリスクマネジメントの中で、「21世紀は感染症との戦いの時代」という小見出しをつけた。確かに大勢の人が集まるイベントでは、感染症が広がる可能性があり、主催者と共に参加者や観客も注意が必要である。しかし、ウイルスを「人類の敵」と断言してしまうと、イベント業界に希望が持てなくなると反省している。

 約40億年前に地球上に生命が誕生し、約20万年前から10万年前までに人類が生まれたとされるが、「種」を越えて遺伝情報を媒介するウイルスも、人類の進化に果たしてきた役割は大きいと考えられる。今後、遺伝子治療にウイルスが果たす役割も大きい。ウイルスは敵ではなく、「共存共栄」の道を探るべき存在なのかも知れない。

 「免疫力UPウオーキング」で元気になろう!

 仮に1年ぐらいで治療薬やワクチンなどが開発されたとしても、新型コロナウイルスの流行が完全に終息する時期は分からない。そして、イベントに対する安心感が醸成されるまで、何年かかるのか想像もできない。「イベントも「3密」と言われる状況を作り、感染が拡大する原因の一つである」ということを、人々が忘れるまでじっと耐え偲ぶだけでは、イベント業界にとって明るい未来は来ない。

 2011(平成23)年に発生した東日本大震災で学んだことは、「私たちも地球生命体の一部であり、地震や台風などの自然を受け入れなければならない」ということである。未来に向けて地球上の環境や生物が調和する世界を維持していくことが求められる。そこで、イベントのルーツである「祭り」に着目したい。「祭り」は、自然の恵みに感謝し、また、畏敬の念を持ち、地球上の神羅万象を大切にする気持ちを育み、自然と人間との間にある絆を感じることを大切にする文化的なシステムである。

 人類とウイルスの「共存共栄」を考える上で大切なキーワードの一つが「免疫力」であると考える。私たちは、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを排出し続け、自然災害の驚異を大きくしている。また、自然環境の中に有害な化学物質を拡散し、食品添加物としても食べ続け、自らの「免疫力」を低下させたり、過剰反応を起こさせたりしている。「免疫力」を高める「適度の運動」や「安らかな睡眠」、「栄養バランス」、「入浴」、「笑い」などの要素を取り入れたイベントを実施したい。

 今年は、第二次世界大戦が終結してから75年の節目である。3月23日にJEDISのメンバーと皇居周辺の「さくらウオーキング」を実施したが、戦争関係の遺構が数多くあるだけでなく、以外に豊かな自然もある。「免疫力UPウオーキング」を開催して元気な心と身体、元気な社会、元気なイベント業界をつくりだしたい。栄養バランスの良い食事をしながら交流ができれば申し分ない。接待を伴うような夜の飲食店へ行ける日を、首を長くして待っているメンバーも多くいるに違いない。

「免疫力UPウオーキング」の勧め