リスクマネジメントを考える。
㈱プランニング・ホッコー 池崎 幸
リスクマネジメントとは何か?
ということについて、一言で説明するのは大変難しい。「リスク」自体が非常に多様であり、正確な予測が不可能である場合が大半だからだ。そもそも予測できる事態であるならば、そのことはたいした「リスク」にはならない。したがって、「考えられる事態を想定してそれに備える」という作業は無限に等しい作業となるし、現実に訪れるリスクはたいてい、その想定を超える。
公共的なイベントはもとより、見本市・展覧会等では円滑な運営は勿論ではあるが、観客や関係者の安全確保、関係組織の社会的信頼性の確保といったリスクマネジメントを考える必要がある。
近年では震災の影響も有り自然災害などのリスクの高まりが指摘されており、イベントにおける総合リスクマネジメントが見直されている。
今回「さっぽろ雪まつり」でそんなことを考えさせられる事件が起こった。
2月7日午後4時15分ごろ、札幌市中央区の「さっぽろ雪まつり」大通公園会場で、小型の雪像が崩れ、近くを通り掛かった60代の女性が腰を打って軽傷を負い、病院に運ばれた。 雪まつり実行委員会によると、キャラクター「初音ミク」の高さ約3メートルの雪像の頭部が崩れたという。 雪像は実行委員会の制作で、北海道警などが原因を調べている。
さっぽろ雪まつりは6日開幕し、大通公園はメーン会場。 札幌管区気象台によると、7日は市内中心部の最高気温が2・2度まで上 がり、平年の氷点下0・5度を大きく上回っていた。 (産経ニュース)
その後、札幌市では、暖気が入った中でも雪像が耐えられるよう明確な基準として安全な雪像制作のガイドラインを策定する考えを示した。
このことはイベント事業に従事している者として考えさせられることがいくつかあった。私はイベントを安全に管理・運営していくためには、初心にかえり基本姿勢として下記のような事を考えたいと思う。
・想定可能な危険を最大限に予知し、その対策を徹底すること。
・万一を想定して、スタッフ教育を徹底すること。
・常に変化する状況に冷静かつ的確に判断できる状況把握能力を身に付けること。
このことだけではまだ不十分だが、このことを徹底して業務を遂行させていきたい。
イベント業務管理者資格を取る上でリスクマネジメントのことを学んだが、現場で学ぶことも多いと改めて実感した。