開港の街、横濱。
■執筆者 JEDIS関東地域本部 神長 衛
■執筆日 2016年10月11日
横浜は、開港の街である。
1859年の開港前は、半農半漁の寒村だった横浜が、開港という大きな時代の波・文明開化の波を受け、西洋文化をはじめとした異文化の流入窓口として「ハイカラな街」(今流に言えば、「クールな街」とでも表現したらよいのであろうか)に変貌したのである。
そのためか、横浜には「日本初」が非常に多い。
イスクリームをはじめ、電話、クリーニング、近代競馬など、挙げていったらきりがないのである。
開港の翌年、1860年2月に日本初の西洋式ホテルが、山下町70番地に開業し、そのホテルの中に「バー」が営業を始めた。
そう、「バー」や「カクテル」も横浜が日本の発祥地なのである。
その後、船員相手のバーが営業を始め、横浜は、「バーの街」として、現在まで綿々とその歴史を刻んでいる。
横浜のバーの特徴は、
①安い
②チャージを取る店が少ない
③様々なスタイルのバーがある
事であろう。
これは、世界各国の船員を相手に商売をして来たことに起因しているのかもしれない。
重厚なオーセンティックバーから、スタンドバーまで、気軽に楽しむことができるのである。
さて、前置きが長くなったが、弊社が2001年から行っている「カクテルクルーズ」である。
本年9月11日で16年目・17回を迎えた。
このイベントは、横浜の「バー文化」、「カクテル文化」を盛り上げていこう、という趣旨のもと、様々な団体の枠を超え、毎年16店舗のバーからバーテンダーが、東京湾最大のレストラン船「ロイヤルウイング」に乗り込み、その日限りのオリジナルカクテルをお客様に振る舞う、と云う、カクテルパーティである。
それだけでも、「横浜らしさ」満載であるが、それに加え、「客船」、「中華料理」、「夜景」、「JAZZ」・・・と「これでもかっ!!」と横浜なのである。
6年前からは、FM横浜のDJ・栗原治久氏にMCをお願いし、さらに横浜色を強くすることに成功した。
当初は、出店してもらえるバーを探すのも苦労であったが(もちろん、今でも大差はないのであるが)何とか、地元に根付いたイベントとして定着してきたように思う。
「継続は力なり」というが、イベントの世界でも同じであると、最近、特に実感をしているところである。
横浜は、商業地であり、観光地であり、就業地であり、居住地である。
多様な面を持った大都市であり、かつ「大いなる田舎」でもある。
「3日住めば浜っ子」と言われてはいるが、浜っ子は、意外とシャイで、結構、大変なのである。だからこそ、「継続することが重要な事なのだ。
話が、外れたが、カクテルクルーズは、今年も500名を超えるお客様を乗せて、出航することが出来た。
このイベントをいつまで続けられるかは別として、開港以来続いている横浜の文化を継承しつつ、そこに横浜らしく、「新しい文化」を加えられるようなイベントを今後も企画していければ本望である。
さて、横浜にお越しの際は、ぜひ、バーの扉を開けていただきたい。
きっと、開港以来の横浜の濱風が貴方を包み込んでくれるだろう。