行政とのイベント構築の難しさ

■執筆者 佐藤 浩次
■執筆日時 2001年9月15日
 
昨年、北海道の全行政と各種団体を巻き込んで、福祉のイベントを立ち上げたのですが行政と民間との意識のずれやお互いの最終目的の違いなどで改めてイベント開催の難しさやイベント業務管理者の調整役としての重要性を感じさせられました。

 また、私が近頃よく感じることは、イベントに精通しているところでも、イベントの流れというか、イベントの全体構築が、しっかりとされていないことです。なぜなら、プロと称する人たちがしっかりした説明もなく行ってしまうので、そのほとんどが、まかせっきりで、当の主催者も形だけがなんとなくできているという状態で行ってしまうため、その結果、来場者が目標通り来なかったり、売上げ目標があがらなかったりして、次回はイベントができないという状態に追い込まれていくパターンが、非常に多いが現状です。

 昨年の福祉のイベントがなぜ成功したかと言うと、私の上に全国でもレベルの高いゼネラルプロデューサーに指導、助言をして頂いたお陰だと思います。
 通常のイベントでは、テレビスポットや新聞告知などが主流だが、今回のイベントでは各出展者にイベントツールとして、はがきを無料で配り、各出展者自身にも宣伝をお願いし、このイベントに参加している意識を持ってもらい、積極的に来場者誘致に努めて頂いた事もあり、この手の展示会では、めずらしいくらいビジネスユースの来場者が多かったことです。

また、行政中心のイベントと言うこともあり、各行政の出先機関や各施設などに、積極的にチラシを配布する約束を得たことによりチラシの総枚数も5万枚にのぼり、その草の根運動のおかげで、3万人弱の来場者に恵まれました。

 ただ1つ言えるのは、通常のイベントと違って、ひとつひとつの作業が細かく手間のかかるものが非常に多いため、準備の1年間は大変でしたが、大変な分だけ結果がついてくることが実際にわかった貴重な体験でした。イベントに関わった行政や各種団体、出展者、来場者などは、このイベントに大変満足してくれました。中でも展示会終了後、出展者アンケートで次回も出展したいが、全体の80%を越たことは、近年のイベント全体の状況からは考えずらいことでした。

 来年は主催者も新聞社も加わり、さらに規模も大きくなるので、今回の教訓を生かし、ひとりひとりが、参加しているという意識をもったイベントにするよう努力し、前回に手の届かなかった部分を、特に注意し完全ではないにしても、参加者が満足できるイベントにしたいと思います。

 今後、イベント開催においては、その辺に注意をはらいながら、行政の人達がイベントを行ってよかった、イベントは行政にとっても大きな効果があると、思ってもらえるようにイベントを構築していきたいと思います。