ようこそ、「クリエイティブ・クラス」へ
■執筆者 関東地域本部 副本部長 奥野 圭
■執筆日時 2008年1月25日
「クリエイティブ・クラス」という言葉をご存知だろうか?
-飛行機の新しい座席のランク分けか何か?- 私ははじめそう感じたが、そうではない。
「クリエイティブ・クラス」とは、アメリカの都市経済学者で、ジョージ・メイソン大学のリチャード・フロリダ教授が提唱する考えで、「プロフェッショナルに定義される知的労働者を構成する層」の総称である。
新しいアイデアやテクノロジー、コンテンツの創造によって経済成長を促し、独自の判断によって複雑な問題を解決していく人々で、様々な分野の職種が該当する。
科学者やデザイナー、エンターテイナーなどは無論であるが、金融や法律、医療などの分野も該当するという。
このクラスに属する人々とは、個人が自分自身の専門分野を持ちつつも、業務全体をオーバービューすることもでき、思考や行動は論理的でありながら、理論だけでは説明しきれない“美的感覚”や“遊び心”といった“感性”を活用しながら“創造の世界”を体感的に理解できる“人々”を指す。
つまり、単なる専門分野の知識だけで仕事を推進していくのではなく、専門知識を生かしながら、常に積極的に革新的に働く労働者層なのである。また、その能力を継続的に発揮し、標準化やマニュアル化ができない“知”“智”を有している労働者層である。
この層の特徴は、グローバル・スタンダードで価値観を共有し、金銭的な報酬よりも、内発的な報酬がモチベーションに欠かせないことである。
「クリエイティブ・クラス」という言葉、認知はまだ低いが、社会あるいは企業はその労働層に注目し、彼らを組織に効果的に取り込んでいくべきと説かれている。
最近、ハリウッドの脚本家やブロードウェイの劇場舞台運営の裏方によるストライキで混乱している様子が報道されているが、アメリカでは、この「クリエイティブ・クラス」に属する労働者が過去50年間で3700万人に達したそうである。所得水準が高く、アメリカ全賃金所得の約半数を占め、製造業とサービス業を合算した金額に匹敵するという。
このクラスに属する人々は、国境を越えて活躍することが多く、経済流動性が高い。昨今、経済成長を担う存在として注目され、都市や企業間で世界的な獲得競争が展開されているそうである。
フロリダ教授の推計によると、「クリエイティブ・クラス」に基づく国際比較ランキングで、日本はスウェーデンに次ぐ世界第2位と位置づけられている。
ちなみにアメリカは世界第4位である。
フロリダ教授は、21世紀の企業活動において最も重要な資産は、原材料でも様々なシステム化でもなく「クリエイティブ資本主義」であると説いている。その「クリエイティブ資本主義」は、クリエイティブな能力を発揮することによって、価値の高い製品やサービスを生み出せる人々によって構成されることとなる。
様々な分野でクリエイティビティーを発揮しながらイベント業務に従事するクリエイターの個人集団“Jedis”。
“Jedis”に属する我々はより社会に認知されやすい先進の「クリエイティブ・クラス」なのである。
期待も込めて、ますます我々の存在が重要視され、社会認知拡大に繋がればと願う。
私は2000年に仲間に加えて頂いたが、今後ますます社会的に認められるであろうクリエイターの皆様、Welcome to Jedis!!
ようこそ!「クリエイティブ・クラス」へ