◆◆「天然感動」から『養殖感動』へ・・(感動っていったい何でしょう?!)◆◆
■執筆者 理事 小林秀之
■執筆日時 2009年7月6日
『小林さん、凄く単純なこととは思いますが(実はそんなに単純なことだとは決して
思ってはいませんがネ・・と笑いながらですが)
私が10年間もセミナーを担当している団体の責任者から以下のような依頼がありまし
た。
★次回のセミナーで参加者達に
【イベントを通して人に感動を与えることの素晴らしさ!】
と云うテーマでお話をして頂けませんか、とのことでした。
我々イベントの担当者にとっては「どのようなイベントに携わっていても当然参加者
に楽しんで貰い、感動をして貰いたい・・・」と思いながら業務の推進をしているの
で、改めてこのようなお話が飛び込んでくると『エーッ!そう云えばそんなことは当
り前で特別考えたことが無かったナ!』と面喰らって考え込んでしまったのです。
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あるイベント関連の本に書いてあったことを思いだしました。
~~人は素晴しいと感じたことにはただただ『感動』を覚える~~
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だったら素晴しいてことって何なんだろうか?
『ウーン、ここいらで基本に戻って考えてみる必要があるのかナ・・・』
以下はほんのチョットの勉強といろいろな資料からの抜粋などですが、さて依頼者か
らの質問に「応えているものになったのだろうか?」と疑心暗鬼の今日この頃です。
観客は、「娯楽性・新機(奇)軸・非日常性 を求めてイベントにやってきます・・」
これは取りも直さず『感動をしたい!』ための基本要素であることには違いありませ
ん。
感動って言葉を辞書で見ると、MOVEとあり、『心を揺り動かす』、そしてEVENTは
(出来事、事件云々)さらに『日常と違う』ということが目に飛び込んできました。
「日常と違う」ってことには以下のように二つの現象があります。
①「何かが起きる」(予期せずに!偶然に!突然に!)
②「何かを起こす」(意図的に!計画的に!)
イベントはこの ② にあてはまり・・・
【意図的に、計画的に『何かを起こす』ことなのです】
何かを起こし参加者に感動を与える・・・
私はいつも企画を作成する時には「感動の要素探し」に夢中になります。
ただ、ご存知のとおり、感動の要素は時代ごとに変化をしてきました!
★ 「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」へ・・
★ モノによる驚きの度合いが小さくなってきた。
★ レジャー、余暇が他の分野より人の心を動かせやすい時代が到来。
★ 衣・食・住・耐久消費財では消費者に『感動もの!』と叫ばせることが一筋縄
ではいかない難しいものになってきた。
このような中ではもう「月の石」的な要素を探すのは凄く困難です。
あるビッグイベントの実行委員長(知事)から『月の石みたいな斬新なものを頼むよ
ネ!』とのご託宣!・・・
私の答えは「知事さん!お宅の県には『お化けや幽霊が出る処はありませんか?』そ
れを捕まえて展示すれば月の石の感動などはどこかへ吹っ飛んでしまいますがネ!」
これでこの会話はチョン (笑)
実は「天然感動」から「養殖感動」へ・・・まさに『感動の養殖化(養い、育てる)』
が必要になってきたのです。
それでは感動を与える要素にはどんなものがあるんでしょうか?
————-養殖感動のヒント『感動のホルモン』(9の要素)——————
● 初めてのことを企てよう(初めて効果)
● タイミングが命(時間効果)
● 超弩級、「ド」はずれたもの(超越効果)
● 人との繋がりを実感(連帯効果)
● 思わぬものにぶちあたる(意外効果)
● 懐かしき人・モノ(再会効果)
● 聴覚、触覚でひと味倍加(二感効果)
● 何かをやり遂げる(なしとげ効果)
● トンネルを抜けると~緩衝地帯で効果倍増(トンネル効果)
——————(「感動のホルモン」博報堂生活総合研究所より抜粋)——–
いかがですか?みなさまもこんなことを頭の角っこに置きながら観客に感動を与える
企画をお創りになってみては・・・