今、この日本にイベントが求められていること
■執筆者 JEDIS 監事 萩原進
■執筆日 2017年2月27日
私は、生涯学習行政が専門で、イベント業務に携わってから、30年になります。
この間、イベント業務管理士の地位、向上に少しでも貢献したいと資格者の集まり(JEDIS)に参加してきました。
今思いますと、自分がどれだけの結果を残せたか、反省することが多いのが現状です。しかし一方で、見えてきた部分もあるのです。今回は、そんな様子を記載したいと思います。
1. 地域活力社会への挑戦
私は、文化センターや歴史資料館などに勤務する立場から、イベント業務(お祭り、展示、シンポジウムなど)を活用してまいりました。特に最近は、予算が厳しく、その目的と効果が求められます。なぜ、このイベントを実施するのか。このイベントが地域住民にどういった成果を出せるのか。ソフトが価値あるもの(特に地域課題解決に役立つイベント、独自性)でなければ、財政サイドも安易に予算を認めてくれません。
しかしながら、裏を返せば、そのソフトが地域住民にとって、暮らしに役立ち、幸福をもたらすものは、実行可能性が大なのです。行政側がどんな課題に直面し、住民ひとり一人が何に困っているか。どんなことをしたら、こどもや成人が幸福な地域社会を築けるかを、イベントとからめて考え、証明していければ、チャンスはあるのです。
2. イベント業務管理士が求められる日本に
多くの行政では「イベントは予算がかかるから、実現は難しい」と思っているかもしれません。バブルで景気がいい時の反省から『最少の経費で最大の効果』を求めています。以前のように、どこでもやっている同じようなイベントでは、地域社会を活性化することは困難です。住民の声を活かし、課題解決に役立ち、その地域に恩恵をもたらすようなイベントでなければ、予算化はできないでしょう。そのイベントが1回こっきりで終わるのではなく、住民(特にこどもや障害者)の中に活きづいていく工夫と創造が必要です。
私が残念に思うのは、今述べた考えに基づいた民間サイドの売り込みが少ないことです。売り込みの時期や方法も知らないのです。行政側から仕事を待っている状態なのです。もっと、イベント企画を行政側にわかりやすく提供、相談してみてはいかがでしょうか。イベント業務管理士が、もう少し積極的になってほしいのです。予算が認められれば、会社は大きくなり、地域社会も大きくなれるのです。
3. 日本と自分を大きくするために ~使命感をもつこと~
地域社会とイベントをとりもつ具体的な事例は、山ほどあります。それを自分で調べ、自分の考えや工夫を重ねることができるか。自分がイベント実現という使命感をもっているか。全て、やる気と熱意にかかっています。ダメ元の精神で、この想いをもって挑戦してほしい。日本を、自分を大きくしていってほしいのです。それが私の見えてきたことです。
これから、益々イベントに対する役割は大きくなります。2020 東京オリンピック・パラリンピックをはじめ、世界が日本に注目しています。日本のイベント関係者だけではなく、世界のイベンターとも手を携えていく、そんなイベント業務管理士が多く育ってほしいと心から願っています。そのために、私は残された人生を捧げる覚悟で邁進しています。
以 上