取り込め?インバウンド??
■執筆者 綜合企画株式会社 (熊本市)
グローバルソリューション事業部 福田 博文
■執筆日時 2019年2月6日
昨年度は日本への外国人旅行者が3,000万人を越えたということです。
これは香港2788万人、台湾1600万人、韓国は1333万人と比較して、いかに外国人旅行者が多いかの指標になると思います。観光庁(JNTO)がVJC(ビジットジャパンキャンンペーン)を長年にわたって展開してきた効果が表れ始めたようです。(どれだけの予算を使ってきたかはさておき)
地方にいるとゴールデンルート(東京~大阪)や北海道にだけ集中していると感じる面がありますが、
最近では、ゴールデンルートに飽きた人達が瀬戸内海周辺まで南下してきており、その先の九州は福岡空港を始めとして国際線の就航が活発です。
私が暮らす熊本県も台湾、香港、韓国を中心として外国人宿泊数も新記録を更新しているという事です。
2018年の海外旅行客の消費額は「4兆5千億万円」。
という事からインバウンドの取り込みが地域の活力とばかり、観光やMICE、スポーツ大会、教育旅行、などの招致活動が、全国的に盛んです。
交流人口の拡大で活性化としながら、そのほとんどの目的は「地元にお金を落としいて欲しい」と言う事。
「うちの県へ、我が市へ、この町へ」とターゲットにされた国では、毎週、毎日のようにどこかの首長がやってきて、トップセールスという名の観光や物産のPRをしています。
結果、実はどの地方がどの地方のプロモーションをしたのか?現地の人達に認識されていない場合が多いという残念な結果を生んでいるのも事実です。
観光庁:報道資料
そうならないためにも、コンセプトやターゲット、時期、場所などなど色々と事前に検討しておくことがいかに大事か?が分かると思います。無駄な経費を使わないためにも大切なことです。
昨年12月には鹿児島県と熊本県の広域連携事業で、北薩(出水・阿久根地域)と天草下島へ台湾からの自転車ツアーを取り込もうというモニターツアーを受託しました。
その様子は熊本や鹿児島のテレビ、新聞等で周知されましたが、どれくらいの人が目にしてくれたか?
残念ながら、それは分かりません。
このようなモニターツアーを実施することで現地の観光関係者への直接コミュニケーションの刺激と地元に足りないモノ・コトへ気づき、そして対策を講じる、システムを作る、行政がバックアップするなど大切な事だと感じます。
我々のこの事業の現在は、現地の雑誌やWeb、SNSで順次記事として情報拡散していますが、
その結果、何本の旅行商品が販売されるのか?実際に何名の旅行客がやってくるか?
赤裸々にプロモーションの費用対効果が見えるので、これから我々の真価が問われてきます。
ところで「みなさんは、パスポートを持っていますか?」
私が住む熊本県民の有効パスポート保持率は、16%しかいない。
福岡は国際空港や国際港があるので、さすがに九州では断トツ・・・。
東北や北陸、中国、四国も同じような傾向があるという事です。
東京都と全国平均の差を見れば明らかですね。
あれ?あれ?あれ?ところで、
ちょっと待ってください。
「旅行に来てね!」言っている行政・観光関係
プロモーション関係の皆様は、ターゲットにしている国へは行ったことあるのでしょうか?
まさか?無いと信じますが、パスポートも持たずに「インバウンド、アウトバウンド」と叫んでいませんか?
旅行や特産品販売、文化的な国際交流は「来て!来て!(Take&Take)」ではありません。
得る事だけが目的では長続きしないし、僕は「Give & Serve」だと考えています。
結果は着いてくる・・・と信じています。
本当に有効パスポートを持たずにインバウンドを仕事にしたい人がいれば、まずはパスポートを取得して、招致したい国へ事前に出かけてみませんか?交流が始まるはずです。
先に現地や国民性を理解している人の所へ行ってみたくなるものです。
さあ、そして上手くいったら、大きな声を出しながら、
思いっきりジャンプしましょう~~。
「やった~」と!!