「上海世博会調査ツアー」(クリエイティブイベントJEDISレポートより)

2007年4月19日
■活動団体/活動参加者
協会本部/プロジェクト
「中国イベント情報交流サロン」代表幹事   福山大学 客員教授 宮地 克昌
■開催場所
 
 
 
2007年1月18日(木)から21日(日)まで、株式会社 集客創造研究所の牧村真史所長を団長に22名(添乗員を含む)が、上海世博会事務協調局および上海世博会運営有限公司を訪問した。担当者は、「国際的な博覧会の経験が少ない中国で、初めての一般博を成功させなければならない」というプレッシャーを持っているため、快く訪問が受け入れられ、愛知万博での経験について具体的な質疑も行われた。

上海世博会の概要

上海世博会の開催期間は、2010年5月1日から10月31日(184日間)で、入場者目標は約7,000万人(内海外から約350万人)である。6,400万人が入場した大阪万博をしのぐ。世界中の最も優れたアイデアと商品を上海に集めることを目標にしている。また、閉幕後の会場を再活用し、各パビリオンを出展国・地域の情報発信基地として使い、「閉幕しない万博」を目指す。

会場は、バンド(外灘)の南約4キロに位置し、南浦大橋と盧浦大橋(鉄鋼製アーチ型の橋としては世界最長)の間の黄浦江両岸の二地区で、敷地面積は528haである。既に、17,000世帯、47,000人の住民が立ち退き、270の企業の立ち退きも進んでいた。

テーマ館は人・都市・地球(ミクロからマクロ)の3つのゾーンに分ける。過去、現在、未来の時間軸と合わせてマトリックスが組まれている。また、中国館のテーマは『都市発展における中華の夢』で、秦の始皇帝から始まる都市の発展と中華の知恵を表現する。そして、都市実験区では、世界中から100カ国くらいの都市をケーススタディとしてピックアップし、キルトのようなイメージの都市を創造する。

上海世博会では、催事がこれまでの博覧会以上に需要視されている。中でも開会式に対する思い入れは強く、「ドーハで開催されたアジア大会の開会式に強い刺激を受けた」とのこと。その開会式は黄浦江の川辺で2時間のプログラムとして行なわれ、船の橋や潜水艦の利用も検討中されている。

イベント産業の実力を発揮できるチャンス

大阪万博が開催された1970年当時と比較すると、社会はアナログからデジタルに大きく変化している。核の保有やリニアモーターカーの実用、有人ロケットの打ち上げ等を果たし、紙、印刷術、火薬、羅針盤を発明した中国は、人類の未来に対して何を提示するのであろうか?上海世博会が、デジタル時代のイベントとしてメディア価値のあるコンテンツを生み出すことができた時、21世紀における新しいイベントの時代が始まるであろう。

上海世博会は、日本のイベント産業に携わる我々が、「中国に対して、また、日本の政府や企業、自治体、民間団体などに対して何ができるのか?」という問に対して、実力を発揮できるチャンスである。今後、ツアーの参加者同士や、上海世博会事務協調局および上海背世博会運営有限公司との交流を通して、具体的な活動に結び付けて行きたい。
 
 
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